人気ロックバンド「Nothing’s Carved In Stone」で活躍するメンバーに、64 Audioのイヤモニについてインタビューを行いました。
全4回に分けてのレビューをお届け予定!
第三弾となる今回はギター&ボーカリスト、”たっきゅん”の愛称でも知られる村松 拓さんに、64 Audioのカスタムイヤーモニター 「A12t」を使い始めたきっかけやライブでの使用感などを伺いました。
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64 Audioのイヤーモニターに出会ったきっかけ
はじめに、64 Audioを知ったキッカケを教えてください。
村松 拓さん(以後敬称略):
ミックスウェーブさんに紹介して頂き、信頼しているので使ってみたいなと思い試してみたのが最初でした。
それまでは、イヤモニは何を使われていましたか?
村松:
JH Audioのものです。
実は僕、このバンド (NCIS) で初めてイヤモニを使ったんです。
それまではライブハウスでやることが多かったので、イヤモニよりも耳栓をすることの方が多かったですね。
どうしても爆音で自分の声が聞こえづらい状況だったので、色々と工夫していました。
イヤモニを使う事で感覚は変わりました?
村松:
聞こえる空気感とか「180度違う!」って感じでしたね。
うちのバンドは同期(シーケンス)が多いじゃないですか。
より繊細に演奏のクオリティーを上げていこうとしていた転換期があって、イヤモニはその時の重要な要素の1つだった気がします。
…ほんと、イヤモニを使うと違いますね。
ライブ中は、何を中心に聞いていますか?
村松:
一番はドラムですね。
ドラムを中心に、音源に近い感じでのギター、ベース、同期I(シーケンス)も耳元に返してもらって、最後にボーカルの上げ下げを調整するという感じです。
イヤモニを使うようになってから、演奏に対する向き合い方が変わりました。
ただ、色々気が付きますよね…。
ギターを弾きながら歌う時のバランスはどうでしょうか?
村松:
自分のギターはコード感を出してることが多いので、少し大きめに返してもらっているかもしれません。
apexモジュールによる恩恵
64 Audioと言えばapexモジュールによる密閉感の調節が特徴ですが、そこの違いは感じられましたか?
村松:
apexモジュールのお陰で、音が広く感じられています!
64 Audioのイヤモニは、良い耳栓を付けている感覚に近いんですよね。
“音楽用に作られていて、空気が入るからアンビエンスも感じられる、密閉されていない高級な耳栓” のような。
密閉感が強いと孤独を感じるくらいデッドになってしまうので、apexがそれを和らげてくれているのかなと。
僕はボーカルなので、閉塞感の中で聞こえ過ぎてしまうのも逆に不安になるのですが、apexモジュールを交換すればその調節が繊細にできるのも大きなメリットですね。
イヤモニひとつで「鳴ってる」「鳴ってない」の感覚がこれほど大きく変わってしまうのが凄いです。
鼓膜にかかる空気圧を低減することで長時間リスニングによる疲れを軽減し、聴覚保護にも役立つ独自技術「apex」
外耳道をイヤホンで塞いだ際、イヤホンのスピーカーは空気圧(音圧)を生成し、この空気圧は耳の疲労を引き起こしたり、更には過度に鼓膜へ負担を掛ける事で難聴につながるリスクを引き起こします。
「apexモジュール」をイヤホンの筐体に搭載することで、本来であれば鼓膜にかかり続けるはずの空気圧を外へ逃がし、鼓膜への負担を軽減。鼓膜へのストレスが軽減されたことで緊張がほぐれ、聴覚上の音質も向上します。
使っているapexモジュールはM15の方ですね。
村松:
そうです、これの方が自然なんですよね。
映像や照明との同期が多くなり、ライブの演出そのものが変わった時期にカウントをイヤモニで聞く必要があって、それ以降はイヤモニが必須になりました。
apex「m15」モジュール
-15dBのノイズアイソレーションを実現する交換用モジュール。標準の「m20」モジュールから交換することで、わずかに外音を取り込みやすくなり、より自然な聴覚に近づけられます。
ライブは長時間に及ぶことも多いですが、耳や身体への負荷はどうですか?
村松:
長時間ステージで歌っていると扁桃腺が腫れてきてしまうので、そこの負担も和らげてくれていると思います!
あとはフェス会場での演奏とか、ほんと最高ですよね。前はトラブルばかりでしたから。
本当に、役に立っています。
ちなみに、普段のリスニングではどのような物を使っていますか?
村松:
AppleのAir Pods、あと家だとVictor Studioが監修したヘッドホンです。
Air Podsは今時の音でノイズキャンセリング機能もあるし、リスニングにおいて64 Audioと比べるのは流石に難しいです(笑)
でもサウンドで言うと、64 Audioを街を歩く時に着けられたら最高ですよね!
仕事用としていて大切にしているので、実際のところは外には着けて行ってないんですけど…(笑)
解像度が段違いですし、音も素直だし、余裕もあるし。
ミックスルームで”凄い良い音”を聞いている感覚に近い
自身の曲を、普段のチェック用ヘッドホンと64 Audioで聞き比べたことはありますか?
改めて聞き比べてもらっても良いでしょうか?
村松:
音、めっちゃ良いなコレ! すごっ…。
けっこうイイ音で録ってますね、自分たち!(笑)
低音の感じとか良くて…決して無駄な低音とかではなく「ちゃんと再生されている」感じがあって、やっぱり迫力が違いますね。
ボーカリストは、各楽器の音を一番冷静なポジションで生音も聞けると思いますが、それもしっかり再生されていると感じますか?
村松:
音源は音源で整理されているので、そのクオリティーの高さを充分に聞かせてくれますね。
変な膜やエフェクトが掛けられている感覚も無いし。
普通のイヤホンって余裕が無くて聞こえない部分とか出て来てしまうので、わざとイヤホンに特性を持たせてローを出したりしてるんだと思いますが、64 Audioは余裕あるんですよね。
なので、ミックスルームで凄い良い音を聞いている感覚に近いです。
64 Audioは、オレたちが作りたかったものが鳴らせるものだと思います。
レコーディングでは64 Audioを使用されていますか?
村松:
勿論これでレコーディングすることもありますし、曲によって、Victor Studio監修のヘッドホンと使い分けています。
話は変わりますが…
今回のA12tのデザインのコンセプトについて、お聞きしても良いでしょうか?
村松:
緑色が好きなんですよ。選ぶと緑色が多いんです。
好きだから選んだ…と言った感じです。
たまたま今日は緑色の物を何も身に着けていないですけど(笑)
では、64 Audioを使用しての総評をお願いします。
村松:
イヤモニって、ボーカルとしてライブをする時、ほんと正直言うと以前はネガティブな印象だったんです。
「自分の感覚とバンド演奏を隔ててしまう物」…その感覚がイヤモニを使いながらずっと抜けなかったんですよね。
ただ、64 Audioのapexモジュールのお陰で、イヤモニをしながらでも自分の感覚に一番違いところに辿り着けたんです。
なので、感性を大切にするボーカリストや、ちょっとイヤモニすると寂しいなと悩んでいるボーカリストにお勧めですね。
これが僕の、64 Audioを選んで使っている理由です!
本日は、ありがとうございました!
第四弾は「Nothing’s Carved In Stone」でギターを担当している生形 真一さんに感想をお伺いします。
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製品情報
64 Audio「A12t」
聴覚保護と比類なきサウンドステージを実現。リファレンス・ステージモニター向けカスタムIEM
旧カスタムIEM「A12」からブラッシュアップされた新しい「A12t」は、新しい「リファレンス・ステージモニター」向けカスタムIEMです。
64 Audioが特許出願中の最新テクノロジー「tia Technology(Tubeless In-ear Audio)」に加え、フラグシップ機に採用している「tia Single Bore Design」や「tia driver」を採用しています。搭載する12基のバランスド・アーマチュア型ドライバーはすべて新しいドライバーに再設計され、既にA12を所有するユーザーに対しても新しいリスニング・エクスペリエンスを提供します。
「apex Technology」は、「聴覚保護」と「比類なきサウンドステージ」を実現させる為に開発された最新テクノロジーです。鼓膜にかかる小型スピーカーからの「空気圧(音圧)」を「第二の鼓膜」と呼ぶ、特殊フィルムが使われた「モジュール」を介して外耳道の外へ逃がすことができます。これにより空気圧による鼓膜へのダメージを最小限に抑えることができ、緊張感が取れた状態の鼓膜やその周りの筋肉は、より細かい「一音一音」を聴き分けられる、最高のリスニング環境を作りだします。
U12t
ライブパフォーマンスやスタジオ向けに開発された、リファレンスタイプのモニターイヤホン
従来機U12からブラッシュアップされた後継機「U12t」。
64 Audioが特許出願中の新技術「tia(Tubeless In-ear Audio)テクノロジー」を採用し、計12基のドライバーレイアウトを大きく変えたことで、従来機以上のハイクオリティなサウンドを実現しました。
新しく採用した「シングルボア・デザイン」はチューブレス設計を可能とし、独自開発のバランスド・アーマチュア型ドライバーである「tia ドライバー」のポテンシャルを最大限に引き出します。加えて新しく採用した特許出願中の「LID(リニアインピーダンス・デザイン)」や64 Audioのインイヤーモニター(IEM)がアドバンテージを持つ、聴覚保護とより良いリスニング環境を作り出す「apex テクノロジー」を搭載。イヤホン筐体は、アノダイズド加工が施された堅牢なアルミニウム筐体を採用。美しい艶消しのモダンデザインで仕上げています。
PICK UP
Duo
音楽が、より身近になる。ヘッドホンを彷彿とさせるサウンドステージと、存在感ある豊かな低域
オープンエアータイプのハイブリッド型イヤホン「Duo」は、クラシカルな開放型ヘッドホンを彷彿とさせるパンチングメッシュデザインのフェイスプレートがエレガントな印象を与える、外観的にも音響設計的にもこれまでのイヤホンとは一線を画したイヤホンです。
サウンドは低音の再現性にこだわり、開放型でありながらも十分な量感を得られます。また、開放型ではセンターボーカルの音像がボヤけてしまうことがありますが、独自の技術を活用したことで綺麗な音像を描写。全体的にモニターライクな硬質な音ではなく、温かみのあるリスニングライクで落ち着いたサウンドに仕上げています。
本モデルには、開放型の利点を活かした新技術「Apex Core」および「Wave Sync」を初めて採用。開放型にしかできないオンリーワン・サウンドを追求しながらも、イヤホン筐体内部で発生する内圧を緻密にコントロールしたことで、リスニング中の不快な聴覚的ストレスを軽減し、ヘッドホンよりも手軽にリラックスした状態で音楽を楽しむことができます。
プロフィール
村松 拓(ムラマツ タク)
Nothing’s Carved In Stone/ABSTRACT MASHのVo/Gt。Nothing’s Carved In Stoneではこれまでに11枚のアルバムをリリースし、2018年10月には日本武道館公演を敢行。2019年には自主レーベル”Silver Sun Records”を設立し活動中。ABSTRACT MASHでは2018年の活動再開後、精力的にライブ活動を行なっている。 ソロでは2022年9月に会場限定EP『遠くまで行こう』をリリースし、リリースツアーを大盛況に終えた。
Nothing’s Carved In Stone
2008年始動。2009年に1st Album『PARALLEL LIVES』をリリースし、その後毎年コンスタントにフルアルバムを発表&ツアーを敢行&各地フェスへ出演。結成10周年となる2018年には初の日本武道館公演を開催(SOLD OUT)。2019年、自身のレーべル「Silver Sun Records」を設立。2021年12月1日に最新アルバム『ANSWER』をリリース。2022年3月30日に新曲「Fuel」を配信リリースし、11月には恒例のワンマンライブ”Live on November 1th 2022”を開催。2023年2月27日に豊洲PITにてワンマンライブ”BEGINNING 2023”を開催予定。