導入メーカー: Voyage Audio
Spatial Micを用いた効果音の録音事例について、多くの人気テレビ番組や映画の予告編を手がけてきたプロのサウンドデザイナーであるLenny Jones(レニー・ジョーンズ)氏にインタービュー形式でお話をお伺いしました。
サウンドデザイナー・Lenny Jones氏
映画、ゲームの効果音のレコーディングは、説得力のあるストーリーを伝えるために非常に重要なプロセスです。
サウンドデザイナーは、映像に適切なインパクトを与えるために、質の高い効果音ライブラリに頼ることがよくあります。
しかし、サウンドデザインのベテランであるLenny Jones(レニー・ジョーンズ)氏の経験では、特に2次アンビソニックスや7.1.2などのサラウンドフォーマットが必要な際、効果音を自分で作成する必要がある場合もあります。
Lenny氏は多くの人気テレビ番組や何百もの映画の予告編を手がけてきたプロのサウンドデザイナーです。
私たちは、24/96 Sound Effectsの創設者でもあり、Spatial MicのユーザーでもあるLenny氏に、彼の経験や、最新作「Crowds in Motion」の効果音収録にSpatial Micを選んだ理由について質問させていただきました。
Spatial Micは「小規模の録音機材として最適」
Voyage Audio:
あなたのご職業と、それがどのように効果音の制作・販売につながったかを教えていただけますか?
Lenny Jones氏:
私はハリウッドで働いて28年になるベテランのサウンドデザイナーです。
「Ancient Aliens(古代の宇宙人)」、「Curse of Oak Island(呪われた島 オーク・アイランドと財宝の謎)」、「Penn & Teller BS」、「Unsolved Mysteries(未解決ミステリー)」などをはじめとした1000本以上のテレビ番組や、「スパイダーマン」、「ジェームズ・ボンド」、「ジュマンジ」、「メン・イン・ブラック」など、何百本もの映画予告編の編集と準備にも携わってきました。
この間、出張のたびに効果音を録音してきましたが、ライブラリが膨大になったため2001年にそれらをリリースすることに決め、24/96 Sound Effectsが誕生しました。
Voyage Audio:
効果音を録音するための典型的なワークフローはありますか?
Lenny Jones氏:
私はいつもフィールド録音から始めて、面白い場所で素晴らしい音を見つけて収録します。
その後、すべての音をProTools HDに取り込み、O2A、7.1.2、ステレオファイルとして編集、クリーンアップ、マスタリングを行います。
次に、音をできるだけ見つけやすくするためにラベリングとタグ付けを行い、最後にAsoundeffects.com、Sonniss.com、Soundsnap.com、Unity、Unreal 等のマーケットプレイスに公開します。
Voyage Audio:
「Crowds in Motion」のアイデアと、Spatial Micを使ってどのように音声を収録したのか詳しく教えていただけますか?
Lenny Jones氏:
群衆効果音の録音は難しいプロジェクトです。BGMのないきれいな集団を見つけるのはとても難しいからです。また、海外のMEトラックでは、明瞭な言葉や会話は避けなければならないので、群衆に近づきつつも近づきすぎないことが重要です。
私はフリースタイルで録音することが多く、小さなバックパックや荷物、さらには双子のベビーカーさえも、三脚スタンドの代わりに使います。周りに溶け込むことが最良の結果をもたらすようです。より深くその場に没入するためには、群衆の中心を見つけることも重要です。録音には、バッテリーと小さなiPhone 6sを使って、ウィンドスクリーンのような防音カバーの中に取り付けたSpatial Micを使用しました。
Voyage Audio:
Spatial Micを使うことで、以前に比べてできるようになったことはありますか?
Lenny Jones氏:
Spatial Micで一番気に入っているのは、デジタルだということです。
レコーダー(iPhone 6s)にUSBで接続し、バッテリーに接続するだけで、XLRケーブルもプリアンプもブレイクアウトボックスも必要ないため、機材の量を半分に減らすことができ、とても気に入っています。
また、このマイクはサイズが小さいので小規模の録音機材として最適です。
Voyage Audio:
効果音を録音する際の特別なコツやヒントを教えていただけますか?
Lenny Jones氏:
まず、できるだけ良い機材を揃えることが第一歩です。だからこそ、Spatial Micは素晴らしいツールです。低価格で高品質な作りは本当に素晴らしいと思います。
次に、外に出て録音することです。変わった場所や珍しい場所で最高の音を生み出すことが多いです。
最後に、忍耐です。写真撮影と同じで、素晴らしい瞬間を捉えるためには待つことが必要です。
Voyage Audio:
効果音の収録で、お気に入りの場所やエピソードはありますか?
Lenny Jones氏:
Immersive Crowdsのリリースに携わっていた時、ニューイヤーズボウルの試合直後にローズボウルスタジアムの外に録音に行きました。
最も多い人だかりを探すため、移動屋台でホットドッグを売る露天商たちを常に避けなければなりませんでしたが、どこに行っても彼らは「ホットドッグ、ホットドッグ!!」と呼びかけていました。それは、まるで同じ客を奪い合っているようでしたが、結局、その日の録音がアルバムの中で最高のトラックになりました。
Voyage Audio:
今後のプロジェクトについて教えていただけますか?
Lenny Jones氏:
現在は、一般的なイマーシブ・アンビエンスのリリースに取り組んでいます。最初にリリースするのは、部屋の音、公園、都市、そして田舎の夜の音です。その後は、この素晴らしいマイクでさらにどのようなことができるのかを楽しみにしてみたいと思います!
Voyage Audio:
お時間をいただきありがとうございました。
彼の作品や新しい効果音ライブラリのリリースを楽しみにしています。
詳細を知りたい方は、www.2496sfx.comをご覧ください。
製品情報
Voyage Audio「Spatial Mic」
Spatial Micは、YouTube 360、Facebook 360等のストリーミングサービスでもVR映像と共に用いられることが多くなってきたAmbisonics技術に対応したマイクロフォンです。今まで、4基のダイヤフラムを用いる1次オーダーのマイクは市場にありましたが、2次オーダーのマイクは高価であり、一般的ではありませんでした。Spatial Micは魅力的な価格帯を保ちつつ、1次オーダーの倍のダイヤフラムを用いて空間表現を更に補完する2次オーダーマイクロフォンです。 最大96kHzで、スマートフォン等を用いたポータブル環境にも対応するマイクロフォンはVoyage Audioが初となります。